睡眠を知る。
非常に大事な話です。そして医学的にも、睡眠を科学するようになったのは、最近の話。
特に、REM睡眠とNon-REM睡眠、という概念が出てきてから睡眠学は発展してきました。
寝ているだけ・・の「睡眠」というものに、周期性が存在する、という、よく考えたら、確かに驚きの事実から、その学問が大きく発展しているのです。
ある実験で、このように、だいたい100時間程度、人間は起きていることができるようです。
ここはポイントで、「睡眠」という現象の反対は、起床ではなく、「覚醒」です。
眠らずに起きていられるか、というのは何時間「覚醒」していられるか、という話です。
当然、この睡眠と覚醒をコントロールしている部位、すなわち睡眠中枢と覚醒中枢というのが、物理的に脳の奥深くに存在しています。こういった、◯◯中枢、という表現、よくありますが、決して概念的なものではなく、脳のある一部、物理的に存在し、役割を果たしている部位が存在しているのです。
情報を伝えているのは、神経、そして神経伝達物質です。
どんな物質が、どこからどこに、どう伝わるのか。そんな概略を知ると、なんとなくわかってくることがあります。花粉症の薬を飲んだら、副作用で眠たくなる、って聞いたことあるけど、そういうことなんだ!!
みたいな、誰かに話したくなるトリビアも得られるかもしれません。
そしてREM睡眠とNon-REM睡眠の概略を学びます。
REM=Rapid Eye Movement(素早い眼球の動き)と表現されるように、REM睡眠時には、つむったまぶたの下で眼球が動いているのです。
この時期は、カラダを休ませる睡眠で、骨格筋は弛緩しています。夢を見ているとも言われ、ふと目覚めたときに、骨格筋が弛緩しており、カラダが動かない!!これがまさに金縛り。
Non−REM睡眠は、脳を休ませる睡眠。一回目のNon-REM睡眠のときに、どばーーっと「成長ホルモン」が分泌されます。寝る子は育つ、まさにその通りですが、長い時間寝るのも大事かもしれませんが、1回目のNon-REMの深い睡眠がどれほど重要かは、まさに科学的に証明されているわけです。
眠り、に悩みを抱える方は多いですが、どうやったら上手に眠れるか、質の高い睡眠が得られるか、の答えは簡単なんです。睡眠と覚醒のメカニズムを正しく知ると、そのメカニズムに抗わずに、従うのが一番です。
眠たくなったら、寝る。
現象としては、とても正しいと思います。
ポイントは概日リズム(=サーカディアンリズム)と睡眠圧(=アデノシンの蓄積)の関係性です。講義ではこのあたりを、わかりやすく説明しています。
講義を聞いたら、なるほどなぁ、と思うことがたくさんあります。それこそ、コーヒーを飲むと・・どうなるのか、医学的な側面から説明できれば、とってもいいですよね!!