#10 戦略的リカバリー概論

カラダを鍛えるのも、アタマを鍛えるのもなんでもそうですが、結局はトレーニングによって、現在と自分の理想や目標を結ぶわけです。

トレーニングには、

①過負荷の原理
②特異性の原理
③可逆性の原理

が存在しています。

パフォーマンスは直線上に上がっているように見えても、きっと下の図のように、上がり下がりして、少しずつ上っているのだと思います。

いい練習(=トレーニング)をして、上にいっても、それに伴う疲れ、が存在していて、下に落ちてしまうのです。この、下のベクトルをできるだけ少なくするために、疲労を極力抑えるようにリカバリーに取り組むのです。

ここで大事な概念は、リカバリーとは「自己治癒」です。自分自身のコンディションが向上することです。決して、薬が治してくれるのでも、アミノ酸が治してくれるわけではありません。

薬を使って、アミノ酸を利用して、自分自身が良くなるのです。

治癒力、というと、なんだかスピリチュアルな感じの表現になってしまいますが、自己治癒力という概念を少しずつ深ぼっていくと、細胞を良くする、みたいな話になります。

人間のカラダは、医学的には細胞のかたまりです。

細胞も呼吸をしています。
息を吸って、吐いて、酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出して・・は呼吸という概念において「外呼吸」と表現されます。酸素を全身に届けるため、まずは血液中に取り込む呼吸、と表現するのがいいかもしれません。

一方、「内呼吸」という概念があり、細胞呼吸とも言われます。ミトコンドリアが、細胞に取り込まれた酸素を消費して、エネルギーに変換することを指します。

ここで、ミトコンドリア、という言葉がでてきましたね。

なんとなく、ミトコンドリア、って言葉を聞いたことがあるので、知っている感じがしますが、ミトコンドリアが何をしているのか、正しく説明できる人はほとんどいないでしょう。

ミトコンドリアの詳しい説明をするわけではありませんが、細胞がどのように「よい状態」を保っているのか、といったメカニズムを知ることで、だから、睡眠が大事なんだ!!みたいな話になります。

つまり、細胞の質を高いレベルで保つには「成長ホルモン」が必要で、その成長ホルモンがしっかり出るのは、1回目の深い眠り(=Non-REM睡眠)であったり、筋力トレーニングだったり・・

なるほど、筋力トレーニングって、こういったことにも関わってくるんだ・・と知ってもらうことで、様々な点と点がつながってくるかもしれません。


結局、戦略的リカバリーに重要なことは、良い睡眠、良い栄養、良い運動、そして自律神経をととのえることに尽きるのです。そのことを医学的側面から学び、ご自身が周囲の人に伝えていく・・

これが予防医療の最前線にいる人たちの役割です。

では、ぜひ講義でお会いしましょう!!





目次